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整個羞很大>//////////////<
請叫我KONちゃん(打死)



「急ですが明日、セントラルタウンで夏祭りが開かれる事になりました。
 詳しい事は今配ったプリントに書いているので皆さんよく見てくださいね。」



クラスの担任がHRの時間にそう言った。
ホントに何でいきなり?って感じだけど、皆結構楽しみみたいだ。
私はHRの時間が終わるとすぐに教室を飛び出した。
―大好きなあの人を誘う為に―






花火がくれた小さな勇気






今、私は中等部校舎から初等部校舎まで全力疾走で走ってきた。
瞬間移動系のアリスを持ってれば楽なんだけど、残念ながら私のアリスはそれじゃない。
典型的な特力系のアリスだ。
息も切れ切れに辿り着いた初等部校舎。
そこで私は後輩を見つけた。



「蜜柑ちゃんっ!!」

「あ、 KON先輩やー。どうしたん?こんなところまで。」



蜜柑ちゃんは特力に新しく入ってきた可愛い後輩。
私とは結構仲良くて、本当の妹みたいな感じ。



「ちょっと、ね。鳴海先生・・・どこに居るか分かる?」

「鳴海先生?どこやったっけか、蛍。」

「鳴海先生なら多分職員室ですよ、 KON先輩。」

「ありがと蛍ちゃんっ!後で何か埋め合わせするね。」



蛍ちゃんの言葉を聞いて、私は職員室まで走り始めた。
私が去った後に、蛍ちゃんが
「 KON先輩の趣味って不思議よね。」
と言ってたみたい。(後日蜜柑ちゃん談)




初等部の職員室を覗くと、中に居たのは鳴海先生一人だった。
一目見るだけで、私の鼓動は早くなる。
一呼吸置いて自分を落ち着かせてから、職員室へ入る。



「失礼します・・・。」

「あらー、 KONちゃん。どうしたの?」



ニコッと私に笑ってくれた鳴海先生。
一気に顔に熱が集まるのが自分でも分かる。
思わずそのまま昇天しそうになったけど、頑張って踏みとどまった。
そして、勇気を出して先生を誘ってみる。



「あ、あのっ。明日セントラルタウンである夏祭り・・・。
 一緒に行きませんか?」

「僕と?」

「はい・・・。」



今自分が言ったことがものすごく恥ずかしくなって、俯いた。
うーん、と鳴海先生は悩んでいるみたいだった。
やっぱり鳴海先生には迷惑だったかな・・・。
諦めようかなと思ってたとき、鳴海先生の口から意外な言葉が聞こえた。



「それじゃあ、一緒にいこっかv」

「え・・・?良いんですか!?」

「うんv特に用事もないし、折角 KONちゃんが誘ってくれたんだからね。
 あ、一つだけ約束してくれる?」

「は、はい!!それはもう何なりと!!」



嬉々とした表情を浮かべる私に、鳴海先生は微笑みながらこう言った。



「明日は浴衣着てきてね。 KONちゃんの浴衣姿見てみたいしv」

「浴衣・・・ですか?」

「そう、浴衣。夏祭りなんだし、浴衣着れば更に楽しめそうでしょ?
 持ってなかったら僕が買ってあげるよv」

「いっ、いえ!先生に買って貰うわけには・・・。
 大丈夫です!浴衣は持ってますから!!」

「そう?それじゃあ明日は浴衣着て集合だね。
 楽しみにしてるよv」




それから集合場所とか集合時間とか色々と決めて、私は職員室を後にして寮に戻った。
寮の自室へ戻った私はその場に座り込んでしまった。
もう本当に幸せすぎて、これが夢なんじゃないかって思うくらい。
でも、頬をつねってみたら痛みを感じたからこれは現実。
ふと鳴海先生との約束を思い出して、クローゼットの中を漁る。
私は和服とか結構好きで、浴衣とかもこの学園に持ってきてるからクローゼットの奥深くに眠ってるはず。
出てきた浴衣は白が基調のシンプルなもの。
薄い赤や青の蝶の模様が付いていて結構お気に入りのものだ。
明日、鳴海先生と一緒に夏祭りを回れると考えるだけでもう私は有頂天。
中々寝付く事も出来ず、早く明日にならないかなと思い続けた。









「先生ー!!すいません、ちょっと遅れちゃって・・・。」


結局昨日は中々寝れなくて、今日寝坊しちゃって。
美咲とか蜜柑ちゃんとかも浴衣着たいとか言い始めて、私が皆を着付けてあげる事になった。
色々とやってたらあっという間に待ち合わせの時間が近づいてきて
急いで準備したけど、やっぱり少し遅れて・・・。
自分から誘っておいて自分が遅れるって最悪だぁ・・・。



「大丈夫大丈夫、そんなに待ってないしね。
 それに女の子は準備に時間が掛かるものだしv」

「先生やっさしいー!本当にありがとうございます!」

「いえいえーvそれにしても KONちゃん、浴衣凄い似合ってるね。」



鳴海先生にいきなりそんなことを言われて、私の顔は林檎ちゃん状態だ。
思考回路もやられたのか、うまく言葉が出てこない。



「あれ? KONちゃんどうしたの?急に固まっちゃって・・・」



ぎゃー!!いきなり顔近づけないで下さい先生!!
私死にますから!本当に心臓が持たないですよ・・・。
とりあえず、話題を自分から放そうと試みる。



「いえっ!本当に何でもないです!!
 てか鳴海先生のほうが浴衣似合ってますから!」

「本当?ありがとーv」



そう、先生も浴衣を着ていてこれが本当に似合ってる。
いつもはヒラヒラフリフリって感じの服を着てることが多いような気がするけど、
今日の浴衣は濃紺地で変わり織仕立て?って言うらしい。
まあ凄い落ち着いた感じの浴衣で、こう大人の色気が・・・。
本当に先生って何でも似合うんだなぁって再確認しちゃうよ。



「それじゃ、夏祭り行きますか。」

「はい、今日はよろしくお願いします!」








それから私と先生は色々と出店を見て回った。
一緒に金魚すくいに挑戦して、鳴海先生がムキになって頑張ってたり。
やっぱ祭りって言ったらわたあめでしょって2人でわたあめ食べたり。
他愛もないことで話が盛り上がったり、凄い楽しい時間を過ごした。
そのとき大きな音がして、空に大輪の花が咲いた。



「うわぁ・・・先生!花火ですよ!
 凄い綺麗ですねー・・・。」

「そうだね、とっても綺麗だよ。
 あ、 KONちゃん。多分こっちの方が花火がよく見えると思うな。」



そういって先生は近くにあった高台を指差した。
2人でその高台に上って、花火を眺めた。



「ほら、さっきよりも花火綺麗に見えるよ。」



そう言って先生は無邪気に私に笑みを向けた。
その顔は本当に花火に感動しているようにも見えて。
そんな鳴海先生を見て、私は思わずこう口走っていた。







   好きです・・・先生・・・。







「え? KONちゃん今何て言ったの?」



私が言葉を発した時、ちょうどクライマックスの花火が上がって。
花火の音で先生には私が言った言葉は聞こえなかったらしい。
私は首を横に振って先生に微笑んだ。



「いえ、何でもないですよー。
 あ!先生、花火買いに行きませんか?」

「花火?どうして?」

「打ち上げ花火見てたら自分でやりたくなってきたんです。
 ね?先生もやりましょう!」

「分かったからあんまり引っ張らないで KONちゃんー。」



さっき私が言った言葉は、きっと花火が私を後押ししてくれたんだと思う。
普通の私だったらあんな事言えないしね。
先生に聞こえなくて本当に良かったと今は思う。
きっとあの言葉が先生に伝わったら、絶対困るよね。
だから花火はわざと音を立てて、先生に聞こえないようにしたんじゃないかな。
・・・なーんて、自分に都合のいいように解釈してみる。


今はまだ、先生と生徒の関係から抜け出せないけど

必ずあなたにこの想いを伝えるから

それまで、今まで通りに私に接してくださいね




                          end.
「急ですが明日、セントラルタウンで夏祭りが開かれる事になりました。
 詳しい事は今配ったプリントに書いているので皆さんよく見てくださいね。」



クラスの担任がHRの時間にそう言った。
ホントに何でいきなり?って感じだけど、皆結構楽しみみたいだ。
私はHRの時間が終わるとすぐに教室を飛び出した。
―大好きなあの人を誘う為に―






花火がくれた小さな勇気






今、私は中等部校舎から初等部校舎まで全力疾走で走ってきた。
瞬間移動系のアリスを持ってれば楽なんだけど、残念ながら私のアリスはそれじゃない。
典型的な特力系のアリスだ。
息も切れ切れに辿り着いた初等部校舎。
そこで私は後輩を見つけた。



「蜜柑ちゃんっ!!」

「あ、 KON先輩やー。どうしたん?こんなところまで。」



蜜柑ちゃんは特力に新しく入ってきた可愛い後輩。
私とは結構仲良くて、本当の妹みたいな感じ。



「ちょっと、ね。鳴海先生・・・どこに居るか分かる?」

「鳴海先生?どこやったっけか、蛍。」

「鳴海先生なら多分職員室ですよ、 KON先輩。」

「ありがと蛍ちゃんっ!後で何か埋め合わせするね。」



蛍ちゃんの言葉を聞いて、私は職員室まで走り始めた。
私が去った後に、蛍ちゃんが
「 KON先輩の趣味って不思議よね。」
と言ってたみたい。(後日蜜柑ちゃん談)




初等部の職員室を覗くと、中に居たのは鳴海先生一人だった。
一目見るだけで、私の鼓動は早くなる。
一呼吸置いて自分を落ち着かせてから、職員室へ入る。



「失礼します・・・。」

「あらー、 KONちゃん。どうしたの?」



ニコッと私に笑ってくれた鳴海先生。
一気に顔に熱が集まるのが自分でも分かる。
思わずそのまま昇天しそうになったけど、頑張って踏みとどまった。
そして、勇気を出して先生を誘ってみる。



「あ、あのっ。明日セントラルタウンである夏祭り・・・。
 一緒に行きませんか?」

「僕と?」

「はい・・・。」



今自分が言ったことがものすごく恥ずかしくなって、俯いた。
うーん、と鳴海先生は悩んでいるみたいだった。
やっぱり鳴海先生には迷惑だったかな・・・。
諦めようかなと思ってたとき、鳴海先生の口から意外な言葉が聞こえた。



「それじゃあ、一緒にいこっかv」

「え・・・?良いんですか!?」

「うんv特に用事もないし、折角 KONちゃんが誘ってくれたんだからね。
 あ、一つだけ約束してくれる?」

「は、はい!!それはもう何なりと!!」



嬉々とした表情を浮かべる私に、鳴海先生は微笑みながらこう言った。



「明日は浴衣着てきてね。 KONちゃんの浴衣姿見てみたいしv」

「浴衣・・・ですか?」

「そう、浴衣。夏祭りなんだし、浴衣着れば更に楽しめそうでしょ?
 持ってなかったら僕が買ってあげるよv」

「いっ、いえ!先生に買って貰うわけには・・・。
 大丈夫です!浴衣は持ってますから!!」

「そう?それじゃあ明日は浴衣着て集合だね。
 楽しみにしてるよv」




それから集合場所とか集合時間とか色々と決めて、私は職員室を後にして寮に戻った。
寮の自室へ戻った私はその場に座り込んでしまった。
もう本当に幸せすぎて、これが夢なんじゃないかって思うくらい。
でも、頬をつねってみたら痛みを感じたからこれは現実。
ふと鳴海先生との約束を思い出して、クローゼットの中を漁る。
私は和服とか結構好きで、浴衣とかもこの学園に持ってきてるからクローゼットの奥深くに眠ってるはず。
出てきた浴衣は白が基調のシンプルなもの。
薄い赤や青の蝶の模様が付いていて結構お気に入りのものだ。
明日、鳴海先生と一緒に夏祭りを回れると考えるだけでもう私は有頂天。
中々寝付く事も出来ず、早く明日にならないかなと思い続けた。









「先生ー!!すいません、ちょっと遅れちゃって・・・。」


結局昨日は中々寝れなくて、今日寝坊しちゃって。
美咲とか蜜柑ちゃんとかも浴衣着たいとか言い始めて、私が皆を着付けてあげる事になった。
色々とやってたらあっという間に待ち合わせの時間が近づいてきて
急いで準備したけど、やっぱり少し遅れて・・・。
自分から誘っておいて自分が遅れるって最悪だぁ・・・。



「大丈夫大丈夫、そんなに待ってないしね。
 それに女の子は準備に時間が掛かるものだしv」

「先生やっさしいー!本当にありがとうございます!」

「いえいえーvそれにしても KONちゃん、浴衣凄い似合ってるね。」



鳴海先生にいきなりそんなことを言われて、私の顔は林檎ちゃん状態だ。
思考回路もやられたのか、うまく言葉が出てこない。



「あれ? KONちゃんどうしたの?急に固まっちゃって・・・」



ぎゃー!!いきなり顔近づけないで下さい先生!!
私死にますから!本当に心臓が持たないですよ・・・。
とりあえず、話題を自分から放そうと試みる。



「いえっ!本当に何でもないです!!
 てか鳴海先生のほうが浴衣似合ってますから!」

「本当?ありがとーv」



そう、先生も浴衣を着ていてこれが本当に似合ってる。
いつもはヒラヒラフリフリって感じの服を着てることが多いような気がするけど、
今日の浴衣は濃紺地で変わり織仕立て?って言うらしい。
まあ凄い落ち着いた感じの浴衣で、こう大人の色気が・・・。
本当に先生って何でも似合うんだなぁって再確認しちゃうよ。



「それじゃ、夏祭り行きますか。」

「はい、今日はよろしくお願いします!」








それから私と先生は色々と出店を見て回った。
一緒に金魚すくいに挑戦して、鳴海先生がムキになって頑張ってたり。
やっぱ祭りって言ったらわたあめでしょって2人でわたあめ食べたり。
他愛もないことで話が盛り上がったり、凄い楽しい時間を過ごした。
そのとき大きな音がして、空に大輪の花が咲いた。



「うわぁ・・・先生!花火ですよ!
 凄い綺麗ですねー・・・。」

「そうだね、とっても綺麗だよ。
 あ、 KONちゃん。多分こっちの方が花火がよく見えると思うな。」



そういって先生は近くにあった高台を指差した。
2人でその高台に上って、花火を眺めた。



「ほら、さっきよりも花火綺麗に見えるよ。」



そう言って先生は無邪気に私に笑みを向けた。
その顔は本当に花火に感動しているようにも見えて。
そんな鳴海先生を見て、私は思わずこう口走っていた。







   好きです・・・先生・・・。







「え? KONちゃん今何て言ったの?」



私が言葉を発した時、ちょうどクライマックスの花火が上がって。
花火の音で先生には私が言った言葉は聞こえなかったらしい。
私は首を横に振って先生に微笑んだ。



「いえ、何でもないですよー。
 あ!先生、花火買いに行きませんか?」

「花火?どうして?」

「打ち上げ花火見てたら自分でやりたくなってきたんです。
 ね?先生もやりましょう!」

「分かったからあんまり引っ張らないで KONちゃんー。」



さっき私が言った言葉は、きっと花火が私を後押ししてくれたんだと思う。
普通の私だったらあんな事言えないしね。
先生に聞こえなくて本当に良かったと今は思う。
きっとあの言葉が先生に伝わったら、絶対困るよね。
だから花火はわざと音を立てて、先生に聞こえないようにしたんじゃないかな。
・・・なーんて、自分に都合のいいように解釈してみる。


今はまだ、先生と生徒の関係から抜け出せないけど

必ずあなたにこの想いを伝えるから

それまで、今まで通りに私に接してくださいね




                          end.
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